驚きの９４歳！

　今日、ご縁あって、９４歳の女性とお話する機会を得た。
その方が「驚きの９４歳！」なのである。
「内臓は病気だらけだけど、足腰は強いから…」
と謙虚におっしゃるその言葉には淀みがなく、しかもこちらの言葉をきちんと聞いて、的確に受け答えされる。まずこれが驚異だ。
だって常日頃、ある程度以上の年配の方（ん？若い人にも多いか？性格？）って、女性も男性も、耳が少し遠いのもあるのか、こちらの話をろくすっぽ聞かずに、自分の話したいことだけべらべらとしゃべりまくる方が多いように思うから。

　その方は、９０歳を過ぎてからパソコンを始めたそうだ。「アメリカに行った孫とE-mailでやり取りしたかったから」もちろん携帯も使用しているし、老眼鏡に虫眼鏡で大好きなクロスワードパズルをし、毎日日記を書き、家計簿をつけ、計算がぴったり合うと、物凄く爽快だ、とおっしゃる。
そしてデイサービスやコーラスや、さまざまな日課をつくり「芸能人なみに忙しいんですよ」などとユーモアたっぷりに話してくださった。そして女学校時代の友人が４人いて、「同窓会だけはちゃんと出ましょう！」と声を掛け合っている。海外旅行にも何度も行っていて、リオのカーニバルも見たことがある、と笑顔で話される。そして「一人は確かに寂しい面もあるけど、あえて一人で暮らしている」と。若い頃は特に運動も仕事もしていなかった、主婦だった、とおっしゃるが、なかなかどうしてかなり幅広い活動をなさっている。

最後に、元気の秘訣は？とお尋ねしたところ、「くよくよしないことです。何にしても“何とかなるさ”と思っています」そしてゆっくりではあるが、確実な足取りで帰って行かれた。

　普段からどちらかというと「ほどほどの年齢で静かに枯れ果てて、さっさとコロリと逝きたい」などと思ってしまう消極的な自分を反省。「長生きしたい」などとは決して思わないが、少なくとも「生命のあるぎりぎりまで“生き生きと”自立と自律の出来た生活していたいものだ」と願った日であった。