自室

　私は自室を持っている。きちんとドアに鍵がかかる、書斎と瞑想の部屋を壁で仕切った、一部屋。夫ももちろん一部屋持っている。ちなみに彼は瞑想をしないため、部屋そのものの広さは私の部屋のほうが大きい。
結婚し、家を建てた方ならピンとくるかもしれない。
これはかなり恵まれたことである、と。

　実際、子供部屋と夫婦が休む寝室はあっても、夫の書斎さえない家は多い、らしい。家を建てる時、かなり資料を集め、またテレビのリフォーム番組などもかなり見て研究した限りにおいて。
独身で部屋を借りている方なら、アパートの一室まるまる自分のスペースにできる。でも結婚して子供ができるとなかなかそうはできない。

　大変恵まれた環境にある、私。子供の面倒を見てくれる母が居る時など、かなりの時間自室に篭ってすごることが出来る。
が、足りないのだ。時間が。どういうこと？？なんというか、自室で一人でやらなければならないことをする。その仕事が一段落すると、さすがに家族と過ごす時間も必要になってくる。その繰り返し。結果、
「ああ、一人になりたいなあ…。思う存分一人を楽しみたい。堪能したい…。」
などと思っている自分に気づくのだ。なんたる贅沢！！じゃあ、結婚なんか、しなければよかったのか。子供をつくらなければよかったのか。いや、どれもなくてはならない私の生活の、人生の一部だ。

結局は私は恵まれきった中にいてさらに欲深く、贅沢で我がままな人間だ。ということだ。