小食の楽しみ

　このごろ、あまりたくさん食べなくても良くなってきた。
というか、今までが食べすぎ。どんなに「美味しい」ものでもおかわりしなくなった。

軽く食べて腹六分目か七分目で「ああ美味しかった。ごちそうさま」と箸を置く。もっと食べるなら、たとえばおかわりを一回する。さっきよりもお腹に食べ物が充満している感じがする。もう一回。動けないほどではないが、結構きつい。さらにおかわりをするともう横になって消化されるのを待つのみ。トイレに行くのも億劫なほどの満腹。そこまで、もしくは途中の段階のどこかまで食べるか、最初でやめるか。

　身体は明らかに軽めに食べてやめておく方が遥かに楽だ。食べた直後に動くことが出来る。そのくらいがベストだ、ということが頭だけでではなくて、実感として、身をもってわかったのだ。今のところ、普通に暮らしていれば食べ物に困ることはない、幸せな世の中だ。お腹が空いたらまた食べればいいだけのこと。今動けないほど食べる必要もないし、そうすることで誰かが助かるわけでもない。ただ自分の身体に負担をかけて、その上肥満し、仕事の効率は落ち、いいことなんか何一つない。

　まだまだ私の体型はかなりふくよかで、傍目には決して変わっていない。でも内面でかなりの変化を感じる。ゆっくりと時間をかけて、ではあるが標準体型にまでなるかどうかわからないが、少なくとも自分にとって楽だと感じる体型までは痩せていくような予感がする。

それほどまでに食べ物に対する執着心が薄くなってきているのだ。なんにせよ、執着していたものが一つでも減る、というのは気分がいい。心が軽くなる。ほんの少しだけ天国に近づいた気がする。

きっと肥満したことがない方からは「そんなの当たり前じゃないか」と笑われるだろうが。