ミャンマーに関するニュース

　ミャンマーで、日本人ジャーナリストが亡くなった、というニュースを見た。至近距離から発砲され、地面に倒れる瞬間の映像が目に焼きついて離れない。
戦地に赴いてそこで苦しむ民衆の中に混じって出来るだけ　同じ視点に沿って取材し、国内では果敢に不正を追及する。その取材にかける熱意には、正義感ゆえの怒りが根底にあった、そんな方だったと報じられていた。志半ばにして銃弾に倒れたその瞬間、脳裏には何が浮かんだのだろう。暴力とは無縁の生活を享受している私には全く想像もつかないが、驚き、悔しかったのではなかろうか。
ご冥福をお祈りいたします。そしてご遺族の心が少しでも早く癒されることを切に願ってやみません。

　今回のデモは、軍事政権の暴挙や民衆の苦しみを見るに見かねて、本来政治的なことには関わらないはずの僧侶らが、民衆と手を携え、あるいは率先して行われた、とも言われている。仏教国のミャンマーでは僧侶は民衆にとって尊敬の的であり、宝であるとも聞く。なるほど濃い赤の衣をまとった僧たちの列の脇を守り固めるように一般の方と思われる人々が寄り添って行進している。
なのにその大切な宝であるはずの僧たちすら傷つけられ、殺されているそうだ。

　狂っている。かの国の状況も歴史も霊的な意味でのカルマも知らない。何か恐ろしいねじれを感じる。ありのままを伝えようと自分を投げ打ってカメラを回していたジャーナリストや、修行の道に生きる僧侶の命が奪われる。人類全てにとってもあってはならないことだ。
　現実的に何ができようと出来なかろうと、少なくとも無関心でいるのは彼らを傷つける側に立つのと同じだ。それは今この時、飢えや乾きに苦しむ人々、戦火に逃げ惑い、おびえる人々、災害に傷ついた人々に対しても同様だ。マザーテレサの言葉を思い出す。「愛の反対は憎しみではなく、無関心です」

　できることをしよう。そして何より瞑想を通じて無心に神に祈ろう。この世界のことに拘らない、解き放たれて自由になる、ということと無関心でいる、ということは全く違うことだ。できることからでいい。「愛の道を行く」人でありたい、そう思った。