お茶碗

私は焼き物が好きだ。もちろん高額な骨董品などではなくて普段使いの、いわゆる「生活雑貨」の類の器の数々。近所のスーパーで「有田陶器市」などやっていると、ついつい足がとまってしまう。
　
　ちなみに、若い頃高校時代の友人と佐賀の本当の「有田陶器市」に行った事があるが、人が多いのと、当然のことながらお店と陶器の数が多すぎて疲れ果て、その一度きりで後は行っていない。
そのせいか「普段使い」の品はやはり「普段の生活」の中から見つける方がいいやと思うようになった。

　先日、息子たちを連れて近所のスーパーに行ったところまさに「有田陶器市」のコーナーが設置されていた。
子供たちにおもちゃ売り場で「一個だけよ」といい含めて自由に選ばせている間に「この器にあの料理をいれて、こんな風に盛り付けして…」などと想像しながらあれこれと手にとってみる。楽しくてしかたがない。熱中していたら、時間が経つのを忘れていたようだ。いつの間にかそれぞれにおもちゃを手にして息子たちがそばに来ていた。それでも迷ってなかなか決められない私に次男が一言

「もう、お茶碗は似たようなのがお家にイッパイあるでしょ！！」

思わずその場で声を出して笑ってしまった。確かに。（「お茶碗」を「おもちゃ」にかえたら、私がいつも子供たちに言っているのと同じだし…）


緑と赤の唐辛子模様の汁物を入れたり、煮物を入れたりしようと、1種類3個購入。

手前のピンクのお茶碗は別の日に購入したもの。ウサギの模様がついていて、小ぶりで可愛い。自分専用のご飯茶碗にしている。

最近ご飯は美味しいのだが、以前のようにどんぶり飯をかきこむような食べ方をしなくなったので、手のひらサイズのものが欲しかったのだ。尾チャン湾が無いわけではないのに、「欲しいから買う」という、ささやかな贅沢が…。
ご飯を食べながら、底のウサギが見えてくると
「ああ、お腹いっぱい。ごちそうさま」
と幸せな気分になる。　

　　家族と一緒に暮らしていても、自分専用の、自分が気に入って選んだものを自分で買って毎日使いながら生活する。
当たり前のことかもしれないが、最近そういうことがしみじみと嬉しいのだ。