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つれづれに思うこと、本や映画の感想、菜食レシピなどなど、心のままに書き綴っています。
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 私の職場は病院。しかもいわゆる老人病院なので、70歳以上のご高齢の方を接する機会がとても多い。
以前も記事にしたことがあるけれど、高齢者というのは私の感覚として子供の発育の何十倍も個人差が大きい。

 今日も78歳のかくしゃくとした男性と接する機会があり、素晴らしいお話を聞かせていただいた。もちろんもともとの性格や考え方、個性の問題もあるでしょうし、その方を昔から知っていたわけではないけれど、歳をとってこその深い人間的な味わいや人徳、深い知恵のようなものを感じて非常に感銘を受けた時間でした。

 その方は以前お兄さんと製材所を経営していて、NTTに木製(!)の電柱の発注を受けていたとのこと。70歳を前にして第一線からは引退なさったそうだけど、日々健康に気をつけ、介護の世話にならないように散歩をしたり、とにかく身体を使うようにしているとおっしゃった。
その中でやはりこの春導入された後期高齢者医療制度の話になり、

「それは自分では精一杯気をつけているつもりでも、やはり具合が悪い部分が出てきてしまう。医療費の負担も高くなってきているので、可能なかぎり病院受診は控えるようにしている。」

という話になった。医療従事者たちは高齢の方々の負担が増えることに反対であること、私個人的にも高齢の方々は国の知恵だし宝なのだから、大切にするべきだと思っているというと、深く頷き

「今の国を作ってきたのがわれわれの世代から団塊の世代にかけてなんですよ」
とおっしゃった。

私はこの「国を作る」という考え方に一瞬ハッとしたのです。
1960年代半ばに生まれた私は、幼い頃こそ家に電話があるのがクラスに2~3人だった頃を知っているし、衣料品がそうそう気軽に買えるものではなくて、母親が手作りしていたのを憶えている。ラッパを鳴らしながら豆腐やさんがやって来て、鍋をもってお豆腐一丁を買いに行った記憶もある。

 でも、お腹が減ってたまらないのに食べ物が無いなんていう経験は皆無だし、夜になったら電気がついて、水道をひねったらいくらでも水がでてきて、家の中にいれば雨や風に悩まされることなんてなかった。
「国を作る」という概念どころか、「国」というものを意識することさえなかったように思う。各種インフラは整備されていて当たり前、台風や何かで停電したり断水すると腹立たしくさえ思ってしまう。

 その便利さ、快適さというのは、この方がおっしゃるように、現在70~80歳以上の方々から団塊の世代にいたる方々の、がむしゃらな努力と労働の上に築き上げられているのだ。

それが現在「後期高齢者」などという失礼な括られ方をしている上に保険料は年金から天引き、物価の上昇に介護保険料の負担、おまけに消費税もそのうち上がることが強く予想される。日々のニュースでは天下りや税金の無駄使い、年金掛け金の社会保険庁によるめちゃくちゃな使い方やずさんな管理が話題にならない日はない。

高齢者が安心して暮らせる国、若者も自分の老後に不安を抱かずに済む国にならないものか…。
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 読書が好きな2児の母。平和と調和を願う菜食主義者です。瞑想を通じて精神・霊性・身体の向上を目指しています。
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