神と悪魔

　凄みを帯びた不気味な悪魔なら、アンソニー・ホプキンズ。恐ろしく頭の良い、ヒトの欲望や弱さにつけ込んで巧みに堕落させる邪悪さなら、アル・パチーノ。
そんなイメージがある。前者は映画「羊たちの沈黙」シリーズのレクター教授,
および「コンスタンティン」から。後者は「ディアボロス」から。

　何もそのような存在を信じているわけではない。ただ、ヒトの頭脳、概念の中の陰、魔の部分を巧みに象徴しているように思う。何かあると、一瞬、一瞬試されている感じ。クリアすれば一つ浄化されて軽くなり、引っかかってしまえば何度もテストが繰り返される。神たる本質を再確認するための膨大な、道のり。

　一方、「神」となると、どんな俳優も女優も当てはまらない。
まず「光や愛、限りない恩恵、許し」そういう漠然とした概念が浮かび、そしてそれはやがて小柄な、一人の女性の姿に変わってゆく。カルトでも宗教でも、ない。私の中では唯一の真実であり、確信であり、全てである。来るものは拒まず、去るものは追わない。信じたい人が信じればいいことだ。

　この世界の富も名声も。全く欲しくないし、無意味だ、と言えばやっぱり嘘になる。
それなりに役に立つし、良い方向に使えばこれも良い道具になる。時には物理的なものや力、お金が人を救い、癒すことだってある。

　豊かな生活をしながら、心に神との強固な繋がりを保つ。
言ってしまえば単純なことだが。実際自分の内に目を向けると「今、得意な気持ちを感じた」「この人を軽んじていたのでは？」「自分のメンツを保つために～虚栄心のために～こう言った？」反省することばかりである。

私の中では、常に神と悪魔が勢力を争っている。