子供の安全と監視？

　子供が凶悪な犯罪の犠牲になる事件をニュースでよく見る。そのたびに被害に遭われた方々のご冥福を祈り、ご家族のご心痛を思い胸が張り裂けそうになる。そしてわが子の無事な成長を心から願う。

この状況をビジネスにしている分野がある。
携帯電話だ。GPS機能を搭載し、居場所がわかるようにしてあるのだ。
時には笑い話として夫の浮気防止のため。（出張やら会社の飲み会、とかいっておいて違うところにいるとか…？？）
そしてもちろん、子供たちの安全のため。最近では塾や稽古事をする所にタイムカード式の読み取り機を置いておき、彼らのinとoutが親の携帯に送信されるシステムが導入されているらしい。

　この監視システム。非常に嫌な感じを受けるのは私だけだろうか？？
もちろん、危機管理という点では仕方ないかもしれない。誘拐や事故で子供を必死で探す羽目になったら、否応ない。そんなことになれば「持たせていればよかった」と後悔するに違いない。

でも何だか嫌なのだ。
子供の頃、親に叱られない範囲と程度でいっぱい道草をした。帰り道途中にあるお友達の家だったり、ただただ道端の蟻の行列が気になったり、近所の公園のブランコでちょっとだけ揺れていたかったり。
子供なりにささやかな自由を感じながら、春先の花の香りの混ざる気持ちいい風の匂いを嗅いだり、初夏のじりじりとした太陽に焼かれる感じで冷たいカルピスを飲みに急いで家に帰ったり。秋の突き抜けるような高い空の青さにたなびく白い雲に見とれたり。
いつどこで見たものかわからないけれど、その感覚ははっきりと五感に深く刻まれている。私だけの記憶。のどかな時代だったからこそ出来たことではあるけれど。
成長の過程でそれぞれに「ちょっとした秘密」というのが心の豊かさや発達に非常に大切なことと思うから。以前にも同じような記事をupしたような気がするが、やっぱり嫌なのだ。

とはいえ、自分の子供が子供たちだけで行動するようになったら…。すっかり大人になったらいらないが、その過程。特に小学校や中学生くらいになったら。
やっぱり携帯を持たせて居所をチェックしたりしてしまうのだろうか…。

その時になってみないとわからないし、考えても仕方のないことだけれど…。
ちなみに夫は脳天気に「え～っ。俺が子供だったらそういうシステムがあったほうがいいなあ。だって自分がどこにいても親が見つけてくれるとわかっていた方が安心して遊べるじゃん。だいたい子供だけの秘密って何よ？居場所がわかる、わからないに関係あるわけ？？」などと言う。そういわれればそうかもしれないが…すくすくとまっすぐに育った人なんだなあ、と夫のことを半ば羨ましく思いつつ、気持ちの問題なのだ。ロマンと言ってもよかろうか…。それとも私の方がひねくれてあれこれと考えすぎなんだろうか？？