せめてフローリングで…

　夕飯を食べさせ、風呂に入れ、帰ってきた夫と共に一家四人で団欒。さあ、寝よう、と二階に上がって布団を並べ、横になる。お天気続きで今日は子守で家に来ていた母がみんなの布団を干してくれている。気持ちいい…。と、突然私の横に張り付いていた次男が咳こみ、その直後

「うえ～～っっ！えろえろえろえろ～～～」

やられた。寝る前に飲んでいた麦茶が多すぎたようだ。咄嗟に布団をよけたので、直撃は免れたが、シーツ一枚、敷き布団カバー二枚、二枚の布団の端っこが被害にあった。夜中に洗濯である。
　私は料理はあまり苦にならない性質だが、掃除、洗濯の類が苦手である。寝入りばなに苦手種目二つを否応なくしなくてはならない、というのはかなり苦痛な状況だ。でもしょうがない。このまま朝まで知らんふりで乾燥させるわけにはいかない。

夫も手伝ってくれたのでずいぶんマシだろうが…。

　私が仕事をしていることもあって、普段は実家の母がしょっちゅう来て私の苦手な掃除、洗濯をしてくれている。（まあ、母は料理に関しては面倒くさいらしく、母が働いてくれている間に私が作った料理を自分の家に持ち帰ったりする。うまく役割分担ができているだけ、ともいえる）夫も忙しいながら子供の面倒を良く見てくれる。大変、大変恵まれた子育て環境にあるといえよう。

　でも、私はこんな時泣いている3歳の子供にたいして
「もう、吐くならせめてフローリングの上で吐きなさいよ！トイレで吐けとまでは言わないけどねっ」
などと顔をゆがめてしまうのである。何で狭量な母親だろう。こんなに恵まれた状況に居ながら、この体たらく。もしシングルマザーだったり、夫が非協力的な人であったなら…？？もしかしたら酷い母親になっていたかもしれない。子供を傷つけまくるような…我ながら恐ろしい。

　夫や子供たちが寝静まった真夜中。ベランダにシーツを干しながら味わう、暗澹たる気持ち。