難しいこと

　難しいこと

許すこと
忘れること

　ふと気が付くと、過去の嫌なことを思い出し、自分のことは棚に上げて他人の言動に対して腹を立てていることがある。いつまでも、いつまでも…。

　本当は「許す」とか「許さない」とかいえることではない。自業自得だったり、自分の中のネガティブな部分が相手のある反応を引き寄せてしまっただけのことだったり、する。

　そう頭では分かっていても記憶が次々に蘇って来て「腹立たしい。悔しい。苦しい。」息苦しくてたまらない気持ちになる。あまりの苦しさにやっと我に返る。それから自分をなだめ、瞑想し、とにかく祈りの一種を繰り返し唱える。神、唯一の師を思い浮かべる。そうするうちにいつの間にか眠ってしまうのか、意識が途切れる。もしくは、少し平静になる。その繰り返し。

　冷静になると、過去の自分の非を強烈に自覚する。「あの頃の自分と今の自分は別人だ」と言い訳がましく考える。でもそれは過去の言動ゆえに私が腹を立てている相手にも当てはまること。誰しもがその気になれば進歩し、向上して変わるのだ。
　
　でもそれは他人を責めることからは決して得られない。人を責めるのは、自分を責めることと同じ。だって何事も自分が引き寄せ、引き起こすのだから。自らが蒔いた種を刈り取っているだけなのだ。師が教えてくださったことを身を持って感じている。

　光の方へ進みたい。自分の中の棘を全て抜き去ってしまいたい。あらゆる存在に対して愛そのものでありたい。真剣にそう思う。