独り言だったけど…

　しなければならないこと…なのにしていない。
勉強して理解していなければならないこと…なのに出来ていない。

ことが溜まってくると、独り言が増える。
「いか～ん！」「ダメだ～！」
とするべきことを先延ばしにしている自分自身にダメだしをしているのだ。ちょっと言い訳をさせてもらえるならば、切羽詰った精神のガス抜きの意味もあるのだが、今日も台所で思わず
「ダメだ！！！」と叫んでいた。

するとリビングから即座にはっきりとした
「大丈夫だよ」
と断言する次男の声。

3歳の彼なりに私を励ましてくれているらしい。独り言のつもりだったが、ちゃんと聞いて、返事をくれる存在があるのだ。会話になっていた。

自分にダメだしする暇があったら仕事の一つも片付けて、早くすっきりした気持ちにならなければそれこそ「いか～ん！！」と我に返った瞬間だった。

　次男よ。気づかせてくれてありがとう。
無意識のうちとはいえ、否定的な言葉を口にするのはもういい加減やめよう。
こんな言葉を思わずとはいえ声にしていた自分自身にはもちろんのこと、耳にする君たちにだって知らず知らずに悪影響を及ぼしていたかもしれない。というか、していたはずだ。人の声、言葉には計り知れない力が宿っているのだから。

　食べるもの、口にする言葉、考えること。
全てに細心の注意を払うべきなのに…。食べるものはさすがに大丈夫だが、後の二つは忙しさにかまけてついおろそかになっていた。
いけない、いけない。忙しい時ほど集中しなくては…。