嘘について

嘘はつかない。倫理道徳の意味では当然のこと。
でも自分の場合、それ以上に
「後が大変だから」
というのが大きいような気がする。

「嘘」はその状況や相手、嘘の内容等々、全部覚えていなければならない。
だってその後もずっと、つじつまを合わせていかなければならないから。それ以外にも「いつか暴かれるのではないか」と気が気ではない、気がする。
また内容によっては嘘をついたことそのもの、つまり相手を騙したこと、それ自体が人を傷つけることになる場合だってあるだろう。だいたい失礼だ。

「嘘をついている自分」というのも大嫌いだ。そわそわとどこか落ち着かなくて、頭の中で、忙しくいろいろな利己的な計算をしている感覚。

だから私は嘘をつかない。
もちろんだからといって、全てをさらけ出しているわけでは、無い。あえて黙っていることも在る。でもそれは真実や自分の本当の気持ちを言葉にすることで相手が傷ついたり、嫌な思いをする、もしくは明らかにすることによって誰かに迷惑がかかるようなことがあると思うから。

「秘密を抱えると、自分が気持ち悪い」という理由で何でも話す、というのもまた非常に利己的な、周囲の人の立場や気持ちを無視した酷い行いだと思う。

ふと自らを省みた時、「何も気がかりなことが無い」状態でいたい。私の場合、結局はそれに尽きる。