キーボードで

　息子たちは、音楽教室に通っている。子供向けの、グループレッスンをする全国規模のもの。
夫も私も、親としては英会話だけでいいと思っていたが、コマーシャルを見て、
「絶対に行きたい！！」とまず長男がそのCMのメロディーを繰り返し口ずさんでいたのがきっかけ。子供思いの寛大な親のように聞こえるが、実際は大人が「うん」というまで、朝から晩まで
「ドレミファソ～ラサ（と息子の耳には聞こえていたらしい…）みっれっど～。ソ～ファミソファミレ…」
と歌い続けられて、根負けしたのが本当のところ。音楽と英語の両方に入れることになった。次男は最初、英語だけだったのが「僕も音楽教室に行きたい」と英語教室をストライキし、見事勝ち取ったのだ。（過去記事：ストライキだった）

ともあれ、二人ともこの5月に順調に上のクラスに進級しほぼ無遅刻無欠席に近い形で通っている。それぞれに波はあってもそれなりに楽しそうだ。

　ところで私は子供の頃、幼稚園から中学生の途中まで個人の教室でピアノを習っていた。
別に望んだわけでも好きだったわけでもなく、「親がさせたかったらしいので、なんとなく」というだけ。
練習も面倒でほとんどしていなかったのに、なぜあんなに長く通っていたのか今となっては不明。その後、家にあったピアノは人に譲り、その後も別に楽器に触れようとはしなかった。気が向いた時にその時々で好きな楽曲をBGMがわりに車を運転するくらい。普段からシンとした中でいつまでも読書をするタイプだったので、身の回りに音楽がなくても全く気にならなかった。

　なのに…。今日、長男の新しいテキストを見ていたらなぜだか急に自分の手で曲を弾きたくなってきた。そして最初から最後まで、全部むきになって練習してしまった。音符の読み方もとっくに忘れていたけれど、幼児科の簡単な曲だからどうにかなる。自分の指から音楽が流れ出てくる不思議な感覚…。何だかとても嬉しくて。まだ先生に習うほどの気持ちではないけれど。
「楽譜を手に入れて、好きな音楽を弾けるようになりたいな」
というくらいの軽い気持ち。
でもこんな気になることさえ、以前の自分ならまず絶対に有り得なかった。不思議な心境の変化。これも神さまの御心なのだろうか…。

だとしたら、あれこれ頭で考えることなく素直に従ってみよう。そんな風に素直になれる自分が嬉しい、そう思う。感謝、です。