かもめ食堂

小林聡美が素敵です。

澄んだ空気と素敵な佇まいの家具、お店。
その中で普通に、肩肘張らず、マイペースなんだけどどこか凛としていて、そしてさりげない優しさに満ちた主人公。片桐はいり、もたいまさこもいい味を出していて、
三人がかもし出す雰囲気とフィンランドの町並みや行き交う人々の様子がなんともいえない心地いい風のようなものを感じさせます。

こんな生き方ができたらいいなあ、と静かに流れる映像を見ながら思いました。

　もちろん本当に単身外国に行って食堂を始めるようなことを文字通りにしたいわけではないけれど。

　やるべき仕事を淀みなく、きちんとしながら身の回りを常に清潔に整理整頓して、食事もちゃんと仕度して、自然に楽に呼吸をしながらも姿勢正しく節度を持って生きてゆく、そんな感じ。

強く感動したとか、はらはらどきどきしたとかそんな映画ではなかったけれど。
時間が経って思い出すと静かに心に染み入っていて、またふと観たくなるような、そんな作品でした。

　ゆっくり丁寧に淹れたコーヒーが飲みたくなること　請け合いです。