「忘れている方がいいんだよ」

　夫が宝くじを購入したらしい。
といっても何故だかクジ運が超いい長男に買わせた模様。
　
　って、長男の運がどのくらいよいか。
普段すごろくやら人生ゲームのような家庭内でのゲームをしていても妙に引きがいいのはもちろんのこと。　
　
　写真のスーパーボールは、いつも行く床屋さんで子供らが髪を切ると必ずクジ引きでもらえるもの。
お顔のついた大きなボールは120個有るうちの5個くらいなのに、
（他はとなりのピンクのマーブル模様のものくらいの大きさ）
しっかり当てたり、手前のカードは160枚に一枚しかでないXレアをガチャポンで何気に出したり。

他にも雑誌の懸賞に2年のうちに2回（それも全国からの応募で2人しかもらえない3000円超えるおもちゃ）当選。
などなど、数え上げたらきりが無いくらい、いろいろと強運の持ち主。

前置きが長くなったけれど、記事のタイトルの言葉はその長男のもの。

　年末ジャンボ宝くじのコマーシャルが流れるたびに何度も
「当たるといいなあ」
と夫がため息と共に漏らす独り言に対して一言、長男が穏やかに言ったのだ。

　横で聞いていた私は、その息子の言い方がなんだか興味深く
「どうして？」と尋ねると
「雑誌のおもちゃでも何でもそうだけど、『欲しい』『欲しい』っていつも考えて、思っていると当たらないんだ。応募したことをすっかり忘れているとちゃんと貰えるんだ」
とのこと。
（実際はもっと子供らしい言葉で表現していたけれど）
「ああ、そうか。欲を出すとダメってことね！」
と夫婦で妙に納得し、同時にちょっと清々しいような気持ちにもなりました。

そしてそれ以来、夫は宝くじのコマーシャルを見ても何も言わなくなりました。

「負うた子に教えられる」
ってこういうことをいうのでしょう。
でも考えて見れは当たり前のことかもしれない。
だって子供は幼ければ幼いほど、天国に近い存在なのだから。

　それにしても「無欲」でいるとか「幼子のように」きれいな心でいることの何と難しいことか！！
日常で、ふと気がつくと「何かを欲している」欲深い私。反省反省…。