母親らしくない？

　我ながら、自分は母親らしくない、と思う。
「イメージしていた母親」とは違う、という意味で。
もちろん、子供は可愛い。この子たちのためになるなら大抵のことはできるし、したいと思う。でも自分がしたいことや、自分のことを全て投げ打って、子供のことだけを考えている、というのとは違う。彼らが自分の分身とも思えない。逆に全く違う人格や魂を持っている、私は彼らが肉体をまとってこの世に存在するために肉体の機能を使った、という感覚がある。

それが何だか少し情に欠ける、冷たいことのようにも思えて、子供たちに対して申し訳ない気持ちがあった。でも敬愛する方の話の中に同様の言葉があり、それを聞いた時とても安心し、許されたような気がした。
そもそも「母親」といっても、子を産んだ女は必然的にその役割を得、つまり個性の数があるだけいろいろな「母親」が存在するわけで。
　私は欠点のたくさんある人間だ。でも良いところもそれなりにある、と思う。子供たちにとって「素晴らしい母親」ではないかもしれないが、少なくとも人として正直に、率直に向かい合っていこうと努めているつもりだ。
　それをどう評価するか。それは子供ら自身に委ねようと思う。