ヒヤリ…

　私が住んでいるところはわりと田舎なので、車が無いと不自由する。というか勤務先に行けない。バスや路面電車はあるが、なにしろアクセスが悪いのだ。結果仕事をしている成人は、ほぼ「一人一台」状態の自家用車所持となる。

というわけで、私もほど毎日のように愛車のシエンタに乗っているのだが、先日長男のお迎えバスに遅れそうになったため、すぐ近所にも関わらず車で昇降場所に行ったときのこと。本当にぎりぎりになったため、気持ちもあせっていたのだが、着いてみるともうバスがきていて、お友達はもうステップに足をかけている。

あわてて、バスの近くまで乗りつけ、子供を降ろそうと運転席のドアを開け、一歩足を踏み出した…。ところでシエンタが動きだすではないか！！咄嗟に運転席に戻り、神に祈りながら、アクセルと間違えないように最初にブレーキペダル、次に補助ブレーキペダルを踏み込み、ギアをパーキングにいれた。私ときたら、あろうことか焦りのあまり、ブレーキもギアチェンジもせずにいきなり車から降りようとしていたのだ。最初に止めたところから、50センチほどは進んだのではないだろうか。

　時間にすればほんの数秒の出来事だろうが、動き出した車を見たママ友やバスに同乗している幼稚園の先生の慌てた顔、「とめなきゃ事故！！」と思ったこととか「ブレーキをアクセルを間違えて…」という惨事の記事、「冷静に、冷静に！」と自分で自分に向かって心の中でつぶやいた声、そんなものが驚きの感情とともに、走馬灯のように強烈に渦巻いた。

その場では平静を取り繕っていたが、自分で思った以上にショックを受けていたのだろう。幼稚園バスが走り去った後、ママ友と明るく別れの挨拶をかわし、家に帰ってからもそわそわ、そわそわと落ち着かなかった。熱いお茶を飲んで少しご飯を食べて、やっと人心地ついたが、その後は恥ずかしさと、不注意な自分を厭う気持ちで、落ち込む。

　去年の3月にシエンタを購入する前、10年以上ずっとマニュアル車に乗っていた影響もあるのだと思う。でも、普段「いくらなんでもブレーキとアクセルは間違わないだろう」などと、事故のニュースを見て不思議に思っていたが、とんでもない。甘い気持ちが消し飛んだ。無事に事なきを得たのは幸運、そして常に見守ってくださる方のおかげ以外の何者でもない。

神に深く感謝。そしてどんな時でも常に慌てず、焦らず、やるべきことをきちんとできる自分になりたい、いや、ならなければ。と深く反省した。