懇親会にて

　今日は一日学会。私は発表するわけではないので、ひたすらに清聴。非常にためになった。

　そして夕方からは懇親会。ホテルの一室で立食パーティー形式の懇談会だ。
いつもは「子供が小さいから…」と帰るのだが、今日は特別。大学を出て２年目の頃研修でお世話になった恩師の退職記念パーティーも兼ねていたから。

　その恩師の下で働いていたのはもう１１年前のことだ。でもその時の経過を全く感じさせない。退職してからの計画を楽しそうに話してくださった。その上、（結局は辞退したが）ある仕事に誘ってくださり大変嬉しく、光栄でもあった。

　そしてもう一人、その方の次に研修させていただいた第二の恩師。今の直属の上司ももちろん共通の知り合いであり、上司が私がある仕事上の資格を取れるように頼んでくださったのだ。
第二の恩師は私の年齢を尋ね、これから先２０年は現役で働かなくてはならない。今はいいけれど、５年１０年後のことを考えれば資格は是非とっておいたほうがいい。「君は僕のところにいたわけだから、自分にできることは全面的に協力しよう」と言ってくださった。もう、何と言って良いのか…胸が熱くなった…。この不義理な、このふつつかな自分に…。

　赤の他人の私の将来のことを心配してくださる。自分のことは自分でなんとかするべきで、それをしなかった人間は困っても当たり前の社会なのに。
パーティーでいろいろな人と話した。近況を話したり、仕事上の情報を交換したり…。それなりに楽しかった。でもずっと二人の恩師、そして今の上司に対する感謝の念が頭にあって、なんだかぼーっとしていた。

　霊性の師は社会の仕事もきちんと心を込めてするように、責任を果たすようにおっしゃた。何よりも私はこの社会の仕事から多くを学んでいる。仕事を通じて自分のエゴの醜さを思い知り、人の温かさや優しさに触れて涙する。
　頑張ろう。頑張ろう。そして自分に出来ることで、人の助けやためになることがあったら出来る限り力を尽くそう。損得勘定したり、見返りなどを期待せずに無条件で、心を込めて…。何でも良いからできること全て。

　私にとって、霊性の修行と社会での生活は切っても切れない関係にあるのだ。
二つともきちんとしなければ、両方がだめになる。両方を頑張れば相乗効果でどちらも向上する。
改めてそんなことを感じた日であった。